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番外編 ever

今日は、読者の方から質問があったever の使い方を番外編として見ていきます。中学校で習う基本的な単語ですが、結構奥が深いです。質問者の方は、ever = 「かつて」と 習ったのではないでしょうか。そして、「かつて」と訳すことが出来ない場面にぶつかったのかもしれません。

ever を辞書で引いてみると、[原義は「いつでも(always)」] と書いてあります。

そして、1番最初に、

1 [疑問文で]

(過去について)これまでに, かつて, いつか;

(現在について)いつも, ふだん;

(主に話)(未来について)これから先, いつか(at any time)

とあります。

ここにある「かつて」だけを取り上げて、ever = 「かつて」と覚えたか、教えられたんでしょうね。でも、よく見て下さい。[疑問文で] とあります。これ実は物凄く重要です。

ever はよくこんな使い方をされます。

Have you ever been to France? これまでにフランスに行ったことはありますか。

ever は、現在完了形と相性がよい単語でセットでよく使われます。現在完了形はいつかはわからないけど、過去だけではない、今だけでもない、過去のある時点から今(現在)につながっている感覚です。

この「時」の流れの中で、「いつでもいいんだけど」(at any time)、行ったことある?と強調しているのが、Have you ever been 〜 のever です。

現在完了形もever も時の流れ の意識があるので相性がいいんでしょうね。

そして、ever の always (いつでも)という感覚はこんな単語にも出てきます。evergreen 常緑 (いつも緑)、everlasting 永遠 (いつまでも続く) などなど探してみると結構ありますよ。

逆に言うと、ever の「いつでも」という感覚は、I have ever been to France.

という文章にはそぐわないことになります。

「かつて」と覚えていると、この文章がおかしな文章だと気が付かないのですが、ever = always (at any time) の感覚でみると、I have ever been to France. は訳せないですね。この場合、ever は不要です。

一度もフランスに行ったことが無ければ、I have never been to France.

never 決して〜でない。が使えます。もう想像できますよね。not (ない) ever (いつも)です。さらに強調すると、never ever (絶対に〜しない) となります。

I never ever imagined I was going to be a teacher. 自分が先生になるなんて思いもよらなかった。

となります。どうでしょうか。ever の感覚伝わりましたでしょうか。

実は、基本は総て辞書に書いてあるのですが、噛み砕かないと分からないと言うか、知っている人にはわかる書き方なんです(そんな人は辞書引かないです)。使い方がしっかりと分かりやすく書いてある辞書が良い辞書ということになります。

今日のBeatles は、アルバムPlease Please Me からAsk Me Why です。

If I cry (僕が泣いているのは、)

It's not because I'm sad, (悲しいからじゃないんだ、)

But you're the only love that I've ever had. (はじめて愛する人に巡り会えたからなんだ。)

the only love that I've ever had.

時の流れと、幾つもの出逢い、そしてそこで巡り会えたただ一人の人という情景が思い起こされるでしょうか。

今日はもう一曲、イラストのセリフと同名のタイトルの曲、Taylor swiftの We Are Never Ever Getting Back Together もお楽しみ下さい。

知りたいトピックがありましたら書き込み頂ければ取り上げて行きたいと思います。


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